松戸のシビックプライドの種をブレストでアイデア出ししてみた(後編)

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この記事はmadcity.jpからの転載記事です。元の記事はこちら

text:Taku Funahashi

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アート

まちに溶け込んだアートは、そのまちで生活する人たち、働く人たち、遊ぶ人たちにとって、まちに興味を持ったり体感するきっかけとなります。松戸駅徒歩2分の場所にあるアーティスト・イン・レジデンスPARADISE AIRは、松戸宿の歴史と伝統を引き継ぐ「一宿一芸」をコンセプトに、国内外のアーティストを松戸に招待し、住民との交流を通して、松戸でしか出来ない作品の制作をしてもらうプログラムを展開しています。

  • アーティスト・イン・レジデンスPARADISE AIR
  • MAD City(松戸駅前エリアを中心に行っているまちづくりプロジェクト)
  • アーティストが活躍できるまち
MAD City まちあるき
PARADISE AIRにはアーティスト以外にも、音楽家、劇団、アパレルを中心とするものづくり集団、建築家などが入居しています。

歴史

現在の松戸市本町と松戸の西側エリアは江戸時代、水戸街道の宿場町として賑わいました。現在も街道沿いには趣のある旧家や寺社が点在しています。築100年強の風格ある古商家レトロな金物屋、寛永3年(1626年)に創建された松戸神社など、脈々と受け継がれてきた歴史は、松戸というまちの理解を深める上で重要な役割を果たしています。また、観光案内&無料休憩施設である松戸探検隊ひみつ堂では、松戸の歴史や見どころ・味処に関する情報が詰まっています。そして何と言っても町内会の会長世代である70代〜80代の人たちが非常にクリエイティブで、自由な発想を持っていることもまちの財産です。

  • 旧水戸街道
  • 宿場町
  • 古民家スタジオ・旧原田米店
  • 山崎商店
  • 松戸神社
  • 松戸探検隊ひみつ堂
  • 昔から長く住んでいる人が面白い
今では地域のランドマーク的な存在になっている古民家スタジオ・旧原田米店。その脇から入る庭はかなりの奥行きで裏庭まで続いており、築100年強の古民家をはじめ、昭和期の一軒家やガレージなどがアーティストやクリエイターのスタジオとして活用されています。
今では地域のランドマーク的な存在になっている古民家スタジオ・旧原田米店。その脇から入る庭はかなりの奥行きで裏庭まで続いており、築100年強の古民家をはじめ、昭和期の一軒家やガレージなどがアーティストやクリエイターのスタジオとして活用されています。

行政サービス

今回のイベントには松戸在住の方が多く、「松戸市役所の対応が良い」という意見も出てきました。人口減少や地方分権が本格化する中、全国1718市町村(2016年10月10日時点)の中から選ばれる地方自治体になるために、松戸市も前向きに取り組んでいます。松戸市から全国に広がった行政サービスと言えば、1969年(昭和44年)に作られた困りごと即応組織「すぐやる課」です。市民の要望を受けて処理する件数は年間3千件ほどで、累計では14万件を超えました。そして松戸市は、共働き子育てしやすい街としてまち(地方都市編)で全国9位(千葉県内では1位)。保育園への入園のしやすさや保育料の助成、育児のサポートなどが評価されました。

  • 市役所の対応が良い
  • すぐやる課
  • 子育てしやすい街
  • やさシティ、まつど。
  • 経験者採用がある
松戸市シティプロモーションのスローガンは「やさシティ、まつど。」。やさしいまちってどういうことなのか、これからどんどん作り上げていく必要があります。
松戸市シティプロモーションのスローガンは「やさシティ、まつど。」。やさしいまちってどういうことなのか、これからどんどん掘り下げていく必要があります。(画像引用元)

鉄道

松戸駅から上野駅までは最速15分、東京駅までは24分。都内主要駅へのアクセスの良さは、ベッドタウン松戸の魅力の一つです。2015年3月にJR東日本の上野東京ラインが開業したことで、東京や品川まで直通で行けるようになりました。他にも鉄道関係で特筆すべきことに、路線と駅の多さがあります。松戸市内にはJR常磐線(各駅停車は東京メトロ千代田千直通)、JR武蔵野線、新京成電鉄、東武鉄道、流鉄、北総鉄道の6本もの鉄道が走っており、実に23駅が点在しています。実は松戸は鉄道のまちでもあるんです。

  • 交通の利便性が良い
  • 路線と駅が沢山
北海道の形にも似ている松戸市は、都心へのアクセスの良さ、路線・駅の多さが目立ちます。
北海道の形にも似ている松戸市は、都心へのアクセスの良さ、路線・駅の多さが目立ちます。(画像引用元)

カルチャー

松戸のカルチャーと言えば何でしょうか。ここではイベントで出てきた意見を元に、やや強引かもしれませんが要素をまとめてみました。まずは2016年1月、大相撲初場所で優勝した琴奨菊が所属しているのは、松戸市内にある佐渡ケ嶽部屋です。10年ぶりの日本出身力士の優勝ということで話題になりましたね。次は打って変わって松戸市民会館にはドーム直径8m、定員80名のプラネタリウム室があります。料金は、中学生までは無料、大人は一人50円と格安です。日本人女性2人目の宇宙飛行士である山崎直子さんが幼少期に足しげく通っていたそうです。

また松戸のカルチャーと言ってしまって良いのか微妙な所ですが、漫画カメレオンの影響なのか、松戸はヤンキーのまちというイメージもあります(あくまでイメージです)。こういった一見マイナスと思えるイメージをプラスに好転させていくことで松戸のまちの知名度向上などにつなげていきたいものです。

  • 佐渡ケ嶽部屋
  • プラネタリウム
  • ヤンキー
  • FANCLUB
松戸駅西口周辺で行われた大関・琴奨菊の優勝祝賀パレードの様子。大勢の人で賑わいました。
松戸駅西口周辺で行われた大関・琴奨菊の優勝祝賀パレードの様子。大勢の人で賑わいました。(画像引用元)

発祥の地

松戸から全国へ。松戸が発祥の地であるビジネスや行政サービス、古来の文化がいくつかあります。ドラッグストアチェーン日本最大手のマツモトキヨシ(2016年6月現在、和歌山県と高知県を除く45都道府県に店舗を展開)は、1932年(昭和7年)に松戸市小金に、社名にもなっている松本清が個人経営の松本薬舗を開いたことからスタートしました。そしてその松本清が松戸市長となった1969年に、生まれた行政サービスが「すぐやる課」でした。組織の壁を超えて対応する取り組みは全国的に注目され、1975年には全国315の自治体に同名の課が生まれました。あと変わり種としては松戸市小金に所在する一月寺は、虚無僧寺の総本山として知られています。松戸市立博物館では虚無僧の歴史を学ぶことができます。

  • マツモトキヨシ
  • すぐやる課
  • 虚無僧
全国に広がっているマツモトキヨシは松戸で生まれました。
全国に広がっているマツモトキヨシは松戸で生まれました。(画像引用元)

当事者意識をもって育てていけるシビックプライドの種は何か?

以上、ブレストの結果出てきた松戸のシビックプライドの種たちでした。さあ次回はいよいよこれらの種の中から、より当事者意識を持って育てていけるものは何か、参加者同士で議論した結果をお伝えします。

当事者意識を持って育てていける、松戸のシビックプライドの種はなにか?次回記事でお伝えします!
当事者意識を持って育てていける、松戸のシビックプライドの種はなにか?次回記事でお伝えします!
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