「社長に向いている」と言われて、社長を選んだ
Q6.そもそも起業という道を選んだ理由は?
もともとみんなで何かをやるのが好きっていうのがひとつ。あとは、僕は基本的に人間、向いてないことはやらないほうが良いと思ってるんです。じゃあ自分に向いていることはなんだろう、ってなった時には他人に判断をしてもらったほうがいいと考えています。
これまでの10年、いろんな人に怒られて社会人生活を送ってきましたが、「社長には向いてるかもね」と結構言われてきたんです。どこまで本気なのかはわからないんですけど、尊敬する社長の方々から「次のうちの社長をやらない?」とか「会社を作ったらお金出すよ」と言ってもらえたり。それは自分の中でも大きかったですね。
僕自身も社長をやってみたいという気持ちがあったし、自分に向いていると言われる仕事に就くためには起業しかなかったんです。「サラリーマンには向いてない」とよく言われていたので、サラリーマンとして出世をして社長になるというのは難しいかな、と(笑)。
あとは、僕から見て面白いし能力もあるのに自分の好きな仕事をやれていない人がたくさん身の回りにいたんです。主に京都時代の仲間なんですけど、そんな人たちの力を最大限に引き出せる受け皿のような場所が作れたら、もっと面白いことができると思いました。だから、そういった人たちを引っ張ってこれたらなって。彼らからしたら、余計なお世話かもしれないですけど(笑)。
あと、仲間内で会社を作るとしたら、実際にやるのは今井しかいないんじゃないかみたいなことを言われて、その気になっちゃったっていうのもありますね。

Q7.自分のどういったところが社長向きだと思う?
わりと目上の人に可愛がってもらえるというのと、後輩からも慕ってもらえる部分ですかね……。後輩からは「僕らも今井さんを可愛がってるだけですよ」って言われますけど(笑)。
Q8.起業するにあたって不安などは?
あまりないですかね。会社を始めたからにはもちろん一生やるつもりではいますけど、万が一ダメになったとしても「あの人、会社ひとつ潰したからダメだ」みたいに言われてる人って意外と少ないんじゃないかなって。
どちらかというと、そういう経験をしていたら重宝されるほうが多いと思います。だから、失敗したら食えなくなるっていう気持ちはそんなにありません。ネットとパソコンさえあれば出来る、初期投資が非常に少ない仕事ではあるので。
Q9.仕事で影響を受けた人は?
編集の仕事でいえば、星海社の太田克史さんと、Stokeの柿内芳文さんです。
発想力とか偏愛力とか観察眼とか、お二人ともたくさん優れている部分はあるんですが、共通点としてクオリティへのこだわりが異常なんですよね。最後の最後、一字一句まで本当に手を緩めない。
才能は真似できませんが、その姿勢だけなら真似できることでもあるので、すごく影響を受けました。
「類書」がないから、面白い

Q10.活動のモチベーションとなる感情は?
僕、関西出身なんですけど、ずっと面白くありたいって思ってるんです。でも、中高生のときには人からあまり「面白い」と言われなかった(苦笑)。ただ、それでヘコむわけじゃなくて、「こいつら、俺の面白さがわからんねんな」っていう気持ちがちょっとあった。
だから、自分が誰よりも面白いと言われたいし、それを証明したいという気持ちがずっとありました。
……ただ、ありがたいことに編集者を始めてからは面と向かって「面白い」と言われることもなくはない状況になってきたんです。すべては著者のみなさんのおかげなんですけど……。そういうこともあって、最近は自分の面白さを証明してやろうって気持ちは薄れてきてます。
それよりも今は、自分の周りに「なんて面白いんだ!」と思う人がたくさんいて仕事をさせてもらったり遊んでもらったりしているので、10〜20年後もずっと一緒に「面白い」ってことを言い合ってたいなと思います。その頃になっても、面白い人たちにとって自分が何か目を離せない存在であり続けられるように頑張らなきゃ、という気持ちはすごくあります。
Q11.今までにない事業に踏み切れたのは?
どうせ会社をやるならブルーオーシャンじゃないですけど、小さい海でも誰もいないところがいいな、って思ったんです。実際には、そこに海があるかどうかもわかってないんですけど(笑)。
僕は昔からそういうところがあって、新書を編集していた時も営業担当から「今井が編集する新書は類書がないから、部数を決めにくい」って言われてたんですよ。
でも、他の人が作っているような本なら、それを僕が作る必要はないなって。常にまだ誰もやっていないことをやるほうが、はるかにテンションは上がりますよね。そういった意味で、イベントも編集も出来る会社というのはまだないだろうな、と。どちらに転ぶかはわかりませんが、そういう仕事をしていきたいなと思います。

Q12.オフィスはどのようにして決めた?
今は代々木で、前職の頃から仲良くさせていただいている方のオフィスを間借りしています。この春から自前のオフィスを借りるつもりなんですけど、事務所としても利用可能な一般の住宅物件にしようかな、と。春頃にはツドイのメンバーとして、2人入社してくれる予定になっています。
オフィスの理想でいうと、社員やクライアント、ただの友達も含めて、用もなく寄っていきたくなるようなところが良いですね。居心地の良い集会所みたいな。
Q13.今後の目標は?
いずれはツドイ主催で、大きなイベントをやりたいと思っています。
ツドイに注文が来ないのは実績がないからです。なので、まず僕たちができること、やりたいこと、つまり「編集とイベント」が上手く掛け合わさったイベントを自分たちでプレゼンして見せないといけません。
今年中にそのイベントをやって、2019年からは「あんなイベントをやりたい!」という注文が来るようになれば最高ですね。
今井雄紀 / Yuki Imai
編集者/ライター/イベンター。1986年生まれ。滋賀県出身。新卒でリクルートメディアコミュニケーションズに入社し、Webディレクターとして勤務。2012年より、フリー編集者として星海社に合流し新書を中心に編集業務を遂行。2017年6月、編集とイベントの会社ツドイを設立。
Twitter:https://twitter.com/imai_tsudoi
ブログ:https://note.mu/yuqimai



