Belong to ME #01|インディペンデントキュレーター・長谷川新

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どこにでも行けるから、場所にこだわりはない

Q11.今の働き方を選んだ理由は?

美術館など、どこかの組織に所属しようと思ったことがなかったわけではありません。ただ、いざ所属するんだとなったときに、1つの場所に留まることができる気がしないなと思っていて。今は――少なくとも20代のうちは、インディペンデントキュレーターという立場で活動していこうと思っていました。といっても、もう29歳なんですが(笑)。

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Q12.先行世代が少ない中で、今の働き方に踏み切れたのは?

時代のせいもあると思います。昔は組織に所属するのが当たり前でしたけど、今は業種問わずにフリーランス的に動く人が増えている。正規雇用の問題などもあって一概に歓迎できるわけではないのですが、周りにも様々な職能をもってフリーランスで美術に関わっている人がたくさんいて、おもしろい状況になっているなと。

Q13.関西から関東に拠点を移した理由は?

とくにこれが理由だ!というものはないんですが、今の場所に住む前は石川県の金沢に住んでいて、関東方面で物件を探していたときに、横浜にも金沢っていう地域があることを知って、金沢から金沢に移るのもおもしろいかなと(笑)。

Q14.場所に対するこだわりはない?

全くないです(笑)。当たり前ですけど、キュレーターってどれだけ多くの作品を目にしてきたかがとても大切で。だから、自分から意識的にいろいろな場所に出向くようにしているし、仕事でも国内外問わずに足を運びます。

どこにでも行けると思っているから、場所に対する執着はほとんどないです。

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Q15.インタビュー場所として、デニーズを選んだ理由は?

この辺りは、深夜まで営業しているお店自体が少ないんです(笑)。でも、デニーズは良いですよ。セブンカフェ飲み放題で、ファミレスの中では珍しくWi-Fiが完備されている。大抵の仕事はこのデニーズでやっています。

Q16.今後の目標は?

やっぱり、正しい公共性を生み出すこと、選択肢を増やすっていうことが1つの大きな軸。それは自分にとってもそうだし、後進の世代にとっても、僕らの世代が新しい取り組みをすればするほど、何かやりたいことがあったときに、諦めるっていう経験が少なくなると思うんです。

だから、これからも頼まれた仕事をこなすだけでなく、自分から展覧会を仕掛け、新しい試みをしていきたいと思っています。

PROFILE
長谷川 新 / Arata Hasegawa

1988年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。在学中は文化人類学を専攻し、卒業後は環境系NPOにて働く。退職後、2013年に開催した「北加賀屋クロッシング2013 MOBILIS IN MOBILI-交錯する現在-」展でチーフキュレーターを務めたことなどを皮切りに、インディペンデントキュレーターとしての活動を開始。千葉県松戸市にあるアーティストインレジデンス・「PARADISE AIR」の本年度ゲストキュレーターも務めている。
INFORMATION
長谷川 新 「不純物と免疫」
HP:http://impurityimmunity.jp/
会 期: 2017年10月14日(土) – 2017年11月26日(日)
休館日: 10/16・23、11/6・13・20
時 間: 11:00 – 19:00
入場料: 無料
主 催: 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 育成支援課
協 賛: アイ・オー・データ機器、ERIKA MATSUSHIMA、gigei10
協 力: 青山|目黒、スタジオ常世、This and That、tochka | 特火点、PARADISE AIR
会 場: トーキョーアーツアンドスペース本郷
アーティスト:大和田 俊/佐々木 健/谷中佑輔/仲本拡史/百頭たけし/迎 英里子
アシスタントキュレーター:若山満大
デザイン:熊谷篤史
インストーラー:𡈽方大
アシスタントインストーラー:西尾祐馬
エンジニア:久保田健二
翻訳:西田雅希
出版:増田千恵
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