メイク編その1:クリーニング
まずは、クリーニング。オレンジオイル系の洗剤があったのでそれでクリーニングをしていく。
どこまで分解できるか、開けてみるまでわからないのだが、いい塩梅のところまで分解して掃除する。
今回は、ムーヴメントは外さずに、既存のボタニカル柄の文字盤を生かすことにした。
ガラス板も両面ともクリーニング。
メイク編その2:文字盤をエディットする
先日、写真を撮ってきた素材データをMacに取り込み調整する。
もちろんコンピュータを介さずにも作業はできるのだが、コンピュータを使うと、サイズや色味の調整が簡単にできるので便利なのである。
文字盤の原寸に合わせて、各メニューのサイズを調整していく。
他のメニューとマッチするように、色味も少々調整していく。
ピーマンの立体感がうまく表現できたと思う。
大体の調整ができたので、それぞれのエレメントをプリンターで仮出力。
それをカッターで切り出し、文字盤に実際にレイアウトしてみる。
今回つくるやきとりクロックでこだわった点として特筆すべきは、何と言っても「食のシークエンス」の表現だ。
まず、店の暖簾をくぐり、席に着いたら、飲み物と時間のかからないメニューを頼む。12時のニラユッケと、3時のポテロニサラダ(360円)はまず間違いのない注文だ。
それから、メニューを物色しつつ各種焼き物を頼む。今回は色のバランスを考えて中心につくぴーをレイアウト。
途中6時に絶品の厚揚げなどを挟み、終盤は9時の焼きおにぎりと、やきとり山の家名物、10時の鳥けんちん(350円)でしめる。よし、これでいこう。
というわけで、本番のプリントはネットプリントをしに、セブンイレブンへ。
インクジェットもいいけど、今回はレーザーの気分だった。
プリントできた。つくづく便利な時代である。
さあ、本番のプリントも出力できたということで、ひたすら切って貼る。
パソコン仕事と違い、失敗は許されないから緊張感があります。
最後にやきとり山の家のロゴを貼って、完了です。
リリース編:ウォールクロック
こうして、改めて完成した時計を眺めていると、メニューのチョイスと、シークエンス、そして10時のシメの鳥けんちんが効いていて、なかなかいい時計ができてよかったです。
再度生田を訪れて、開店前のやきとり山の家の壁にそっとリリースしてきました。
今回は以上になります。
東京は江東区新木場を拠点とする現代民具のレーベルです。2011年にスタートしました。
現代民具というアプローチから、生活様式全般を考察し、製品などをご提案。
企画からデザイニング・製作・リリースなどをおこなっている。
http://mingumokuhei.com/
野本哲平
デザイナー。1980年3月生まれ。建築・デザイン・家具の製作等を学ぶ。建築的な思考を軸にラジカセから木工、衣服から都市に至るまで生活への興味は縫い目無しに幅広い。自ら手を動かし素材や構造、作り方や在り方までを模索するニートでナードなデザインを得意とする。主にモノから空間の設計を中心に活動をする傍ら、日々リサーチ活動に励む。2011年に現代民具のレーベル「民具木平」をはじめた。
http://teppeinomoto.com/