出かけたその町で何をして、何を持ち帰ったのか。その町の要素を自宅に持ち帰ったエヴィデンスとして残るもの。例えばレシートがそうだろう。その町で過ごした時間が記録された紙片の裏に、写真家・黑田菜月が日常を綴る。そこから何が見えるか。
Text / Photo:Natsuki Kuroda
Edit:Shun Takeda
5月と6月のダイアリー
5月11日|ライフ 向ヶ丘遊園店
スーパーで買った
おにぎりを持って公園へ。
少し肌寒い日。
5月16日|LAWSON+tocks 二子玉川店
レディプレイヤー1を観た後、
駅で電車を待つ19分間は、
途方もなく長い時間であった。
6月4日|TOMIZ 富澤商店
予想していたよりも
アットホームな店構えに驚いて、
なんとなく使う予定のない写真アルバムを買ってしまった。
6月9日|Cafe Green Grass
注文したカフェオレとスティックシュガーを、
私から遠く離れたところに置かれた。
私以外に客はいなく、
会計すると安心したような顔をされた。
6月10日|いなげや 川崎登戸店
雨にむかってる。
スーパーに行く道は土手沿いの一本道。
何人もの歩行者と自転車乗りたちに
追い抜かされてゆく。