RECEIPT DIARY #03 |北千住、登戸

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出かけたその町で何をして、何を持ち帰ったのか。その町の要素を自宅に持ち帰ったエヴィデンスとして残るもの。例えばレシートがそうだろう。その町で過ごした時間が記録された紙片の裏に、写真家・黑田菜月が日常を綴る。そこから何が見えるか。

Text / Photo:Natsuki Kuroda
Edit:Shun Takeda

7月と8月のダイアリー

7月13日|サンマルクカフェ 北千住東口店

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住む家が決まる。
窓ガラスがきれいでベランダが広い家。
扉を開けると靴を脱いで階段を上がる。
階段には紫色のベロアの布がしいてある。
変な天井の変な家。

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7月14日|KAMUKURA DINING アトレ恵比寿店

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このラーメンはきっと甘いにおいがすると思った。

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7月22日|セブンイレブン 川崎登戸新町店

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こんな夜遅くに
コンビニの中はにぎやか。
私はこのあずきバーが
今の私にとても似合うと思って、満足して買った。
外へ出ても風はなくて熱い。
カップルやグループの人たちが
コンビニの買い物袋を
パンパンにして歩いている。

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8月6日|セブンイレブン 川崎登戸新町店

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片付け。のち、片付け。
しかし私はそこまで働いてはいないので、
少し甘さが強い気がした。

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8月15日|HOKUO 登戸店

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引っ越しの立会いの後、区役所に行く。
ちょうど正午をむかえてアナウンスが入る。
今日は終戦記念日だった。
自動ドアから入ってきたおじいさんを私は正面からゆっくり眺めていた。
外の日差しが暑そうだった。
区役所の中で立ち止まっている人はいなくて、
ぼんやりとした時間が流れていた。

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黑田菜月 / Natsuki Kuroda
1988年生まれ。2011年、中央大学総合政策学部卒業。2007~2011年、早稲田大学写真部在籍。2012年、第8回写真「1_WALL」グランプリ受賞。
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