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人と人が刺激を与え合い繋がるための場づくり
アイデアトークの二つ目のテーマは「人と人が刺激を与え合い繋がるための場づくり」です。一人でインターネットなどで情報収集するのもいいですが、新しいアイデアが生まれたり、多彩な情報を得るためには、フェイス・トゥ・フェイスのインタラクションが重要です。インターネットが普及した現代に、直接顔を合わせることの重要性を説いているわけですが、地域再生の失敗学の本の中で紹介されていた「トランザクティブ・メモリー」という概念が、このことを裏付けています。
つまり、組織の持っている知識の総量を高めるためには、個々人が同じことをたくさん知っているよりも、個々人がバラバラに学習したことや得意分野を持ち寄り、お互いに「誰が何を知っているか」を知っていることのほうが有効という考え方です。
トランザクティブ・メモリーを築くために
アイデアトークではこの「トランザクティブ・メモリー」を築くために、どういった場づくりが必要かが議論されました。人と人との創発が生まれる余白のあるスペースだったり、まちづくりのネットワークの中核となる人(や事業者)の存在が重要だという意見が出ました。
- コワーキングスペースや人を集めるおしゃれなカフェ、無線LANがあってパーティーも開けるバー、河川敷でバーベキュー、など
- 松戸は不動産関係で面白い人たちが多くいて、イベントなどに誘ってくれたのがきっかけで、まちを知っていくことができた
居場所が無いから若者はまちから出ていく
20代中盤の女性からは、松戸のまちに同年代と知り合えるようなコミュニティが見つからない、という意見がありました。確かに上の世代は、仕事帰りに一杯なんていう仲間がまちに居たりする気がします。他には、居場所が無いから若者はまちから出ていく、というストレートな意見もありました。
- 20代中盤の人同士が知り合うリアルなコミュニティが無い、または、どこにあるのかわからない
- 少し上の世代は、子育てがある程度落ち着いてきて一緒に食事や、仕事帰りにちょっと一杯、なんていう光景を良く見かける
- そもそも交流を求めて松戸に住んでいる20代は少ないのでは
- まちに居場所が無いから若者は、居場所のありそうな東京に出ていく
隠居のススメ
居場所が無いから若者はまちを出ていくと発言した男性は、年配の方は隠居したほうがいい、と提言します。商売の責任やお金や権限、場所を若者に渡し、隠居してから新しいことをすればいいのに、というご意見でした。
確かに、まちの新陳代謝を図るうえで、新しい人たちが入ってくるということはとても重要です。例えば、商店街の空き店舗や空き家などの所有者は年配の方はが大半です。空き店舗や空き家にしておくくらいなら、まちの将来を見据えて、生きの良い若い商店主を招き入れるなど、そんな動きを期待したいです。
次回のアイデアトークは9月11日(日)を予定しています
MAD Cityプロボノチーム主催で行った今回のイベントは、いかがでしたでしょうか?今回のような松戸のまちづくりを皆さんで考える場こそ、まちづくり的には一つのコンテンツだし、トランザクティブ・メモリーを築くうえで、きっかけにもなると思います。次回のアイデアトークは2016年9月11日(日)の午後を予定しています。テーマは「シティプロモーションとシビックプライドと松戸のまちづくり(仮)」です。また皆さんと楽しく議論が出来たらと思いますのでお楽しみに!
次回の開催情報は後日こちらのイベントページで告知させていただきます!
(2016/07/25)