デザイン事務所を経て、書店業界へ

この靴は、アンヴァル(ANVARR)という日本製の靴です。1足革靴が欲しくて探していたのですが、なかなか気に入ったものが無くて。ネットで見つけた時は、これだ!と思ったのですが、取扱店が少なく、どこも品切れでした。
早々に諦めていたのですが、大学時代の先輩のお姉さんがファッション誌でこの靴を履いているのを偶然見つけて。先輩はグラフィックデザイナーなのですが、靴のことを問い合わせてみたら、先輩がアンヴァルのデザインまわりを担当していると聞いて。特別にストックから出してもらいました。
この靴は職人の方が作っていて、足にすぐ馴染みます。一日中歩いても全然疲れないので、仕事の時もたまに履いています。
ー百年で働く前は何をされていたんですか?
TSUTAYA TOKYO ROPPONGIで、バイトで2年くらいデザインフロアとアートフロアを担当していて、その前はデザイン事務所で働いていました。もともとはデザイナーになりたくて、京都造形芸術大学に通っていました。東京へ行きたいという願望は全く無かったのですが、漠然と大きな仕事に携わりたいと思っていたので、なんとなく東京へ(笑)。
でも、デザイン事務所時代は本当に辛くて、事務所で流れていたJ-WAVEのピストン西沢さんのラジオが生きがいでした(笑)。

デザイン事務所を辞めた後にTSUTAYA TOKYO ROPPONGIで、良い友人たちに知り合えたのは大きかったですね。出会えてなかったら実家に帰っていたと思います。
ー百年に入ったきっかけは?
店舗でフェアを任せてもらえるようになっていたのですが、知識が全然なくて、フェアがうまく組めなかったんです。なので、もう少しきちんと本のことを勉強したいと思ったのが求人に応募したきっかけです。古本屋は、毎日いろんなところから本が集まってくるし、取り扱うジャンルも幅広く、知識を増やせると思いました。

当時、百年で最初に買った本がこの松本弦人さんの本なのですが、「松本弦人さんって、こういう本も出してたんだ!しかも、絶版になった本は古本屋で見つかるんだ!」とこの時、初めて衝撃を受けて。それまで古本屋に全く馴染みがなく、地元や京都には百年のように新刊も扱うセレクトショップ的な古本屋があまり無くて。
ーいずれは独立も考えているんですか?
今年の4月で勤めてから丸5年経つので、独立も考えています。独立するために、いまは在庫を増やしています。東京は家賃も高いし、いきなり店舗を持つのはリスキーなので、まずはネットストアから。催事にも積極的に参加して、いずれは店舗を持ちたいと思っています。
OLD/NEWSELECTBOOKSHOP「百年」勤務。2018年4月にオープン予定となる自身のネットストア 「ATELIER 」(アトリエ)を準備中。