Vol.3 に登場するのは、下北沢にある古着屋「FILM」店主の島田悠紀さん。「これまで新品の靴をほとんど買ったことがない」と言う島田さんのシューズラックには、大切に履きこまれた靴がぎっしりと詰まっていた。
Text:Akira Kuroki
Photo:Shin Hamada
ついつい同じ靴をずっと履いてしまう
ーすごい量ですね。VANSとコンバースが多いですか?
そうですね、多いですね。
ーいま一番よく履いている靴は?
このVANSのオーセンティックですね。友人が「もう履けないから捨てる」って言ってたやつをもらって、もう半年くらい履いてますね(笑)。
ー同じ靴をずっと履くタイプですか?
パンツと靴は一回履いたらずっと履いているかもしれない。ずっと同じのを履いて、他のを履いたらまたずっとそれ履いて…。
これもさっきと同じ友人にもらったやつです。彼はわりと綺麗に履きたいひとなので。アメリカ製のVANSのヴィンテージですが、いまは本当に値段が高いですね。
ーVANSもコンバースのように、日本で販売されてるものとアメリカ製で違いがあるんですか?
あります。形が違うんです。ちょっと細くて、つま先からの距離が違ったり。単純にそっちのほうがかっこいいんですよね。
これは90年代のコンバースのスキッドグリップ。サイズ感がジャストくらいで、VANSよりもかたちが細いんですよね。細めのパンツのときに合わせて履いてます。
ー自分が履く靴も、古着の買い付けのときに買ったりするんですか?
買い付けのときに買うことはほとんどないですね。普通に日本で買ったものが多いです。あとは近所の「hickory(ヒッコリー)」っていう古着屋でよく買いますね。マニアックで他では全然見ないやつが多いので。
いま改めて見ると、ヒッコリーで買ったものばっかだな(笑)。あんまり見たこともなくて、たぶん人気もないようなやつが自分の好みですね。
これも古着で、かなり前にヒッコリーで買ったやつです。「GUCCI のサイドゴア」。でもこれ、一回くらいしか履いたことないな(笑)。なんか挑戦してみようと思って。かっこいいよね。でもなかなか履けないね。
AIR WALKはすごい前から何故か好きで、まったく人気がないのに履いてるんですよね。これめっちゃ履いてたなぁ。今は休憩中って感じです。うーん、でも改めて見てたら「今かも」と思ってきちゃった(笑)。
20代の頭くらいから同じかたちの履いてるから、これはその色違いで、5年くらい前に見つけて買ったやつです。地味だけど、ありそうで無い感じなんですよね。
ーFILMがオープンしたのはいつですか?
今年の9月で6周年なので、2012年の9月かな。いまの場所に移転したのが一昨年で、その1年後に「FP Mart」がオープンしました。
(FP Martは、FILMと、幡ヶ谷の古着屋PALETOWNによる期間限定のショップ。以前FILMが営業していた場所にFP Martがオープンし、FILMはその向かいの物件に移転している。)
ー買付けにはどれくらいの頻度で行くんですか?
うちは今の所は春夏前と秋冬前、4月と10月に2週間くらい行っています。
行く場所とかコースは決めずに、新しいところをいろいろまわったり。ただ、ロサンゼルスかシアトルから入るっていうのは最近はずっと同じです。
一人で行っていたときは、車の中で寝てたりとかしましたが、最近は奥さんといっしょ行くようになったので、ちゃんとしたところに泊まって、ごはんも美味しいもの食べるようになりました。
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