シューズラッククロニクル #04｜小畑多丘（彫刻家）

「履かないけど欲しい」靴の彫刻的な魅力。

ー最近よく履いている靴は？
よく履くのは、NIKEが多いですね。あとは作業用の安全靴。チェーンソーを使う時とか、あまりにも寒い時とかに履きます。この取材を受けるひとで、安全靴をたくさん持ってるひとはあんまりいないんじゃないかな（笑）。

今一番履いてるのがこれ。大学の彫刻科で一番最初に買わされるのがシモン。アシックスの安全靴とかも買ってみたんですけど、あまり履いてないです。シモンが一番履きやすい。電気を通さないものとか、種類もいろいろあって、消防士とかも履いているメーカーです。木彫は木端がいっぱい出るので、紐靴だと詰まってしまう。このマジックテープのタイプがいいんです。

あと最近気に入っているのが、AIR JORDAN 2 のスエードバージョン。一昨年か去年、LAに行った時にNIKEのお店で見つけて買いました。普通のJORDAN 2も持ってるんですが、派手でなかなか履けなくて。でもこれは、スエードの感じが合わせやすくて、履きやすいです。NIKEのスウォッシュマークが無いのは確かAIR JORDAN 2からかな。

これはテックチャレンジっていうテニスシューズの復刻。ちょっと「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」感のあるカラーリングが好きなんです。自分が中学生くらいにすごい影響を受けた映画なので。10年くらい前に買って、履きたいとは思うけど、派手すぎちゃって全然履いてないですね（笑）。

履かないけど靴を買っちゃうのは、所有欲に近い気がします。靴って立体だから、彫刻的なところがある。服は置けないけど、靴は置ける。そういうのもあるのかもしれません。

はじめて買ったNIKEのスニーカー

ースニーカーにハマったきっかけは？
スニーカーにハマったのはNIKEの靴がきっかけです。小学生くらいのとき、まわりの友達がよく履いてたのがローテクのPUMAとADIDAS。あとはアシックス、ランバードでした。

そんなときに、地元のスポーツ屋でNIKEのランニングシューズをはじめて見て「なにこれ、超かっこいい」と思って。しかも当時のNIKEは黄色い接着剤がちょっとはみ出たりとかして作りが荒ったり。値段も覚えてますが、6,000円くらい。

それを親に買ってもらったのがたぶん最初。それを履いてたら、誰かに「”AIR”って、その中に空気が入ってるんだよ」って言われて、「えっ、マジ？！」みたいな（笑）。小学生だし、「エアーが入ってるってどういうこと！NIKEやばい、超かっこいい！」ってなったのが思い出ですね。

ーNIKEの原体験ですね。
その後、NBAが日本でも話題になってきたから、みんなバスケを始めて、みんなNIKEのバッシュ（バスケットシューズ）で。だからその頃はバッシュが超かっこいいっていう世代。

それでAIR JORDAN 7を履いてるやつがいて、「NIKEのマークないけど、これNIKEなんだよ」って言われて。「いやいや、NIKEのマーク無いじゃん、嘘つくなよ！」って言って見せてもらったら、内側にNIKEって書いてあって。「うわ、ジョーダンやばい！NIKEのマークを出さないNIKEすごい！アメリカやばい！」ってなったんでしょうね（笑）。

それから、「天才・たけしの元気が出るテレビ!! 」の「ダンス甲子園」とか、ダンスユニットのZOO、MCハマーとかを観て、ダンスが超かっこいいってなった世代でもあります。見よう見まねで友達と踊ったりし始めて、C+C Music Factory」の曲がめちゃくちゃ流行ったときなので、『エブリバディダンスナウ！（”Gonna Make You Sweat”）』が聴こえてきたらダンスして（笑）。

だからダンスのきっかけは、B-BOYじゃなくて、ニュースクールの立ち踊り。高校に行った兄貴がブレイクダンスを始めて「俺も教えて！」っていっしょにやるようになりました。それでまわりの友達もやるようになって。

ーその頃はどこで踊ってたんですか？
航空公園の駅。ストリートですね（笑）。ラジカセを持って、夜集まって。そこからクラブで自分たちでショーをやることになったり。

これはだいぶ前に買ったやつです。PRO-Kedsをみると欲しくなるんですよね。あんま履いてるひともいないし、安いし。コロンビア産とか、韓国産とかいろいろあってかたちが違ったりもします。まぁキリがないので自分はそこまでこだわらなかったですが。