かつての景観を思い出す間もなく、日々変化し、移ろいゆく都市と町。2020年を契機に、めまぐるしい速度で新たな風景がつくられる一方、見慣れた建造物や町並みが姿を消していく。そんな失われつつある風景の中に、町角の煙草の煙がある。
一服のひとときは、ひとりの時間や、ささやかな会話を生み出し、路上の風景を確かにかたち作っていた。しかしそれももうじき失われることだろう。本連載は、複数の写真家によるリレー式写真連載。「町と煙草のあいだ」をキーワードに、消えゆく町場を記録し、町の現在を読み解いていく。
第一回は、写真家・鈴木理恵が、大学時代よりその変化を見てきた町・下北沢を撮り下ろした。
Photo:Rie Suzuki
Edit :Akira Kuroki
Photography by Rie Suzuki
次のページ煙草が導く裏路地の風景 1 2