煙草の害について #02|龍崎俊(立川)

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Q&A with Suguru Ryuzaki

ー撮影場所として立川を選んだ理由は?
立川は高校時代から縁があり、立川にあった両親の職場には学校帰りに頻繁に立ち寄ったりしていました。大学浪人生時代の予備校も立川にありました。地方や東京西部から乗り入れる線が混在していて、地方都市と東京を織り交ぜたような独特な色の町だと思います。

ここ20年で開発が進みました。以前は駅のホームの端に喫煙所があって、それも駅の外に移り、いまはそこも無くなってしまいました。ただ、同じように開発が進む他の町や駅のような、急激な画一化を感じないのが立川だと思います。新旧がゆっくりと織り重なっていく感じです。少し駅から離れると、古いビルが未だに残っているからかもしれません。

そんな立川に行くと必ず思い出す夫婦がいます。今回はその2人を撮らせてもらいました。古着に携わるこの2人は、都心に店を構える傍で、ローカルである立川に住み続けています。その土地に根ざす感じと古くなったモノを扱う2人からは、そんな立川という土地を物語っているかのように映るんです。

ー今回撮影したお店は?
ルーブルという古い雑居ビルの中の喫茶店です。同じ場所にあった「喫茶室ルノアール」が撤退後に居抜きで出来たお店で、僕が頻繁に訪れていた頃はまだルノアールでした。

ー日にどれくらい煙草を吸いますか?
だいたい7~10本。ナチュラルアメリカンスピリッット・ターコイズをよく吸います。

ー「煙草と町」と聞いて思い浮かぶ風景やエピソードは?
ガールフレンドとニューヨークへ行ったときのことです。コロンブス記念日の時期で、アッパーイーストをパレードする白バイ隊の一人が、信号待ちの間に吸っていた葉巻を路上に捨てたんです。それを見たときに、初めて両親と来たニューヨークのことを思い出しました。

10年ぶりの家族旅行だったのですが世間は禁煙ブーム真只中でした。ヘビースモーカーである両親は、初めて訪れる場所で喫煙所を探して辺りを見回しながらおどおどとしていました。ぽっかりと街から突き放されてしまったかのような二人を傍観すると、まるで「東京物語」の周吉ととみのような。

僕もニューヨークの人も構わず路上でタバコを吸っていましたが、その時は僕が喫煙していることを両親は知らなかったんです。小さく見えた背中は、なんとも時間の経過を感じる出来事でした。

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龍崎俊 / Suguru RYUZAKI
1983年生まれ。東京を拠点に活動。
武蔵野美術大学造形学部映像学科中退後、ZINEの製作や個展を中心に活動している。
www.sugururyuzaki.com

2013年には、「インディペンデントな意思を持ったアーティスト達による、インディペンデントなプロジェクト」というコンセプトに基づいたプラットフォーム / パブリッシングハウスであるSTAY ALONEを発足。また2016年には、音楽家とのコラボレーションワークであるSAVAGE AND THOUGHTを自身で刊行している。
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