プロジェクト紹介「アップサイクルアートプロジェクト『TUMUGI 紡ぎ』」

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この記事はmadcity.jpからの転載記事です。元の記事はこちら

アーティスト×循環型物流企業×まちづくり会社

MAD Cityプロジェクトでは、建物をはじめとする使われなくなった資源の発掘や利活用、リノベーション、地域住民などコミュニティとの協働、社会性のある事業取り組みといった活動によって地域活性化を実現しています。
今回の取り組み「アップサイクルアートプロジェクト『TUMUGI 紡ぎ』」では、物件・材料共にどちらも不要になったものを活用した新しい取り組みにチャレンジすることになりました。

このプロジェクトは、MAD City在住アーティストである西岳拡貴氏、循環型物流を行っているエコランド(運営:株式会社ウインローダー、本社:東京都杉並区、代表:髙嶋民仁)と協業で運営しています。

世の中で一旦価値を失ったものに新しい価値を吹き込む「アップサイクル」とは

2003年1月より施行された「循環型社会形成基本法」では廃棄物を再活用し、なるべくごみを出さない社会を目指して「5R( Reduce、Recycle、Reuse、Refuse、Repair)」の活動を推進しています。一方、シンクタンクのレポート『「すてる」と「つくる」をつなぐ仕事-アップサイクルによるモノづくりと、まちづくり(NISSAY, 2013, http://www.nli-research.co.jp/files/topics/40546_ext_18_0.pdf)』では、アップサイクルが今後のまちづくりに有用であるとの議論が行なわれ始めているとの指摘があります。

先進国では、不要になったトラックの幌を再利用して作ったひとつひとつが手作りのメッセンジャーバッグが世界的な人気を博しているスイスのブランドメーカーがアップサイクル+リブランドの成功事例で、日本でも近年アップサイクル+リブランドをプロジェクトのひとつとして事業展開する企業が増えています。今回のMAD Cityで行われる「TUMUGI 紡ぎ」プロジェクトは、日本ではまだ実践事例の少ない「アップサイクル+まちづくり」の礎となるべく、長期的な視点で活動してまいります。

MAD City Galleryにて2つの展覧会を開催しました

MAD City Galleryとは

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展覧会会場となるのはこのプロジェクトに向けてリニューアルしたMAD City Gallery。この場所も、元洋品店であった名残を残しながらDIY改装によって新たな場として生まれ変わっています。

アーティスト西岳拡貴の個展

『何が価値を決定するのか、について何を知っているのか』
開催日:2017年2月13日(月)~26日(日)11:00~18:00※火・水定休

展示作品は服、彫刻、映像、買い取りレシートで構成されていました

展示作品は服、彫刻、映像、買い取りレシートで構成されていました

キュレーター山峰潤也氏をゲストに招き、トークイベントも開催しました

キュレーター山峰潤也氏をゲストに招き、トークイベントも開催しました

高校生によるグループ展

『潤徳女子高校作品展』
開催日:2017年3月23日(木)~27日(月)11:00~18:00
西岳拡貴による講義を受けた高校生の5作品を展示しました。

「レアなゴミ」をテーマとしたガチャガチャ

「レアなゴミ」をテーマとしたガチャガチャ

トレーディングカードを使った作品

トレーディングカードを使った作品

こま撮りアニメーションの手法で制作された映像作品や過去~未来を現す人形作品

こま撮りアニメーションの手法で制作された映像作品や過去~未来を現す人形作品

多くの方に御覧いただき、「不用」なものとは、また、「価値」とはいつ誰によって判断され、どう移り変わるものなのかを考えていただく機会になりましたら幸いです。

高校生へ賞の授与式を行いました

潤徳女子高校にて、優れた作品に対しての表彰式も開催いたしました。
賞は「優秀賞」「エコランド賞」の2つ。「優秀賞」は、校長先生や美術科の先生、そして西岳氏によりトレーディングカードを素材とした作品を制作したグループへ、「エコランド賞」はエコランドの事業部長さまより、人形を素材とした作品を制作したグループへ贈られました。

普段生徒さんを指導している美術科の先生方が見守る中、授与が行わました。

普段生徒さんを指導している美術科の先生方も見守る中、授与が行わました。

惜しくも受賞を逃したグループへも、校長先生から、
今回のプロジェクトを通じ、授業の枠を超えて社会問題と向き合うことや仲間と役割分担をしながら粘り強く取り組むことを学び、また、制作や展示の過程でいくつもの新しい技術を身に着けることができたことは、今後の活動への大きな一歩になったはずです。とあたたかいメッセージが贈られました。

プロジェクトに参加してくれた生徒たちとの記念写真

プロジェクトに参加してくれた生徒たちとの記念写真

協賛企業 株式会社ウインローダー

不用品回収の前にエコ回収 ~あなたの「いらない」が、誰かの「ほしい」に~

不用品回収の前にエコ回収 ~あなたの「いらない」が、誰かの「ほしい」に~

通常の物流で行われていた範疇を超え、環境問題を意識した事業を展開しているウインローダー。消費からさらに一歩先、リユースやリサイクルによる新しい物の流れを作る「エコランド」を展開し、消費されたものを再び国内外でリユース、あるいはリサイクルすることで、廃棄物を出さない新しい物流「循環型物流」を展開しています。本プロジェクトではパートナーとして不用品のリユース代行サービス「エコ回収」を行っているエコランドにご支援いただいており、作品に使われた素材のご協賛をいただいています。

西岳拡貴

Hiroki Nishitake

Hiroki Nishitake


1984年生まれ、長崎県出身。愛知県立芸術大学美術学部彫刻科に在学中の2007年、瀧富士国際美術賞を受賞。卒業制作展では桑原賞を受賞している。卒業後は東京藝術大学大学院へ進学し、修士課程修了作品はサロン・ド・プランタン賞を受賞。潤徳女子高等学校の専任教諭を務め、現在はパリコレにも参加する大手ドメスティックブランドの制作を担う株式会社クラボで制作に携わっています。また、あいちトリエンナーレをはじめとする国際的なアートイベントにも精力的に出展しています。

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